ジャカルタ生活 カヤジャムを作ってみたら、我が家の必需品になった話

完成した手作りジャム。カヤジャムらしいほんのり緑がかった黄色いジャム。 ジャカルタ生活

※2025年10月7日時点

シンガポール名物、カヤジャムを作ろう!

カヤジャムというジャムをご存知だろうか?

今回は著者がインドネシア生活中に出会った美味しいジャムを紹介する。
インドネシアから1時間で行ける国、シンガポールに旅行に行った際、シンガポールの名物だと紹介されたのが、こちらのカヤトースト。焼いたパンにカヤジャムといわれるジャムを塗って挟み、半熟卵を添えて食べる、朝ごはんにピッタリの一品。

Ya Kunのカヤトーストの写真。飲み物はレモンティーをつけたAセット。

さて、そのカヤジャムとは。
マレーシア語で”Seri Kaya”。インドネシア語でも同じく”Seri Kaya”。
直訳は豊かなジャム。”Kaya”は豊かな、お金持ちのという意味を持っており、
”Orang Kaya”でお金持ちの人、”Rumah Kaya”で裕福な家、となる。

その名の通り、ココナッツミルクの芳醇な香りと、卵の濃厚さ、さらにパンダンのさわやかな香りが入り、とても贅沢なジャム。

カヤジャムとは

旧イギリス領マラヤ地域(現マレーシア、シンガポール)発祥のペースト状の食品スプレッドである。当時、フルーツジャムが手に入りにくかったため、現地でたくさん採れるココナッツミルクを使ったジャムが考案された。

ー参考:カヤジャムWikipedia

カヤジャムの作り方

材料

カヤジャムをつくるのに使用した材料。パンダンリーフの束とココナッツミルク、少量のみ加えた塩。

カヤジャムを作るのに必要な材料は以下の5つ。
至ってシンプル。しかし、日本ではパンダンリーフが手に入りにくいため、パンダンリーフを入れずに作ることもできる。
著者は、パンダンリーフがない場合は、バニラエッセンスを代わりに数滴入れて作ることもある。これはもうカヤジャムというより、別の濃厚なクリームだが、美味しいのでおすすめ。

200gサイズの瓶1つ分の目安として、分量も合わせて記載しておく。

  • ココナッツミルク (200ml)  
  • 砂糖 (80g ※甘めが好きな場合は~100gで調整)
  • 卵 (2個)
  • パンダンリーフ (3~5枚)
  • 塩 少々(指でつまんでぱらっとする程度、なくてもOK)

パンダンリーフとは、についての記事はこちら。
ジャカルタ生活 緑色のお菓子の味、パンダンリーフとは?

作り方

カヤジャムの作り方は以下の通り。
瓶詰にして保存して使いたい場合は、始めに瓶を煮沸消毒しておくのを忘れずに。

①下準備として、パンダンリーフを良く洗い(現地で収穫されたものはかなり土が付いているので念入りに)、写真のようにぐるっと結んでおく。
 匂いを強めに出したい場合は、この時点で包丁の背などを使って叩き、傷をつけておく。

パンダンリーフを洗って、3~5枚束ね、ぐるっと結んだ写真。

②まずボールに、パンダンリーフ以外のすべての材料を入れる。
 ココナッツミルク、砂糖、卵、塩。
 泡だて器で、かなりしっかり混ぜ合わせる。

②小鍋に移し、弱火で10分程度加熱する。
 過熱している間も、泡だて器でしっかり混ぜ続ける。

③少しとろみがついてきたら、写真のように結んだパンダンリーフを鍋に入れる。

カヤジャムに必要な材料を鍋に全て入れて過熱している様子

 ゴムベラに持ちかえ、ゆっくり混ぜながら弱火で15分~30分かき混ぜる。
 濃い目のカラメルのような風味にしたい方は、30分程度加熱する。

パンダンリーフの絞り汁を入れた後の鍋。先ほどよりかなり黄緑色に変化している。

下の写真のような状態になったら完成。
そのまま食べても良し。瓶に詰めて保存しても良し。
半熟卵を用意して、現地顔負けのカヤトーストにしても良し。

弱火で加熱し続けた結果、とろみが出てきたカヤジャム。

作る時のコツ・注意点

●コツの1つめとして、加熱前に必ずしっかり混ぜること。
著者はいつもハンディブレンダーの泡だて器機能を使う。
はじめてカヤジャムを作った際、混ぜが足りなかったせいで、卵が分離し、ぼそぼその食感のモノが出来上がった。その後、ハンディブレンダーを使ってなんとかペースト状になったものの、やはり味はぼそっとするような水っぽい部分があるような印象。

2回目以降、必ず加熱前にこれでもか、というくらい混ぜ合わせることで、最初のような悲しい失敗はなくなった。

●コツの2つめとして、パンダンリーフの使い方を変えること。
半分ほど(2~3枚程度)のパンダンリーフを、ミキサーで細かくし、絞り汁を入れる。
以下の写真のようなかなり濃い緑色の汁が絞り汁。

パンダンリーフの葉をハンディブレンダーで細かくし、絞ってできた緑色の汁

こちらを加熱中に投入すると、かなりパンダンの風味が強くなり、現地のカヤジャムに近くなる。
ジャムそのものの色も卵の黄色から、パンダンの緑色に近くなる。
パンダンの風味は好みが分かれると思うが、ぜひ一度は本格的なカヤジャムも試してみてほしい。

作ってみたカヤジャムの味は?

完成品がこちら。

完成した手作りジャム。カヤジャムらしいほんのり緑がかった黄色いジャム。

気になるお味は、というと、ココナッツミルクと卵の力で、普通のフルーツジャムよりかなり濃厚な味わい。しかし、ココナッツミルクの爽やかさが、ピーナッツバターのような重さになるのをうまく防いでくれている。口元に持ってくると、パンダンの香りが鼻先をくすぐる。

濃厚かつ爽やかで香りの良いジャム。
ジャムとしてかなり完成度が高いのでは!?

著者、というより、夫と子供たちが大好きになってしまい、我が家では高頻度で作られるジャムになった。シンガポールでの出会いに感謝。

かかった費用と購入した場合の違い

作るのにかかった費用は全部でいくら?

原材料は全てインドネシアで購入した場合の金額。
多少ずれは生じるものの、今回かかった費用としては、

  • ココナッツミルク (18.900Rp)  
  • 砂糖 (17.500RP×80/400g =3.500Rp)
  • 卵 (39.500RP×2/10個 =7.900Rp)
  • パンダンリーフ (4.000Rp×5/10 =2.000Rp)
  • 塩 少々(指でつまんでぱらっとする程度、なくてもOK)

材料費合計、32.300RP。日本円で300円程度。
もちろんフルーツジャムを購入するより断然安い。
フルーツジャムを作るよりも安い。

カヤジャムは購入できるのか?

気になるのが、本場のカヤジャムを購入したらいったいいくらなのか、ということ。
著者はインドネシア在住なので、インドネシアで購入できるモノを検索してみた。

以下の写真はインドネシア版のAmazonともいわれている、トコペディア”Tokopedia”というサイトで調べた結果。YaKunというお店で販売されているカヤジャム290gが129.800Rp。日本円に換算すると約1,200円ほど。
シンガポールの商品を輸入して売っているせいもあるが、かなり高いと感じる。

インドネシア版のAmazonともいえるトコペディア”tokopedia”でヤクンのカヤジャムを検索した結果のページ

インドネシアのYakunの店頭で販売されているカヤジャムの値段は未確認なので、後日近くを通りかかる機会があれば調べてみます。

おわりに

シンガポール旅行をきっかけに出会った、パンダンリーフをふんだんに活用した香り豊かなジャム。
ジャカルタ生活でも自分で作ることができるとわかり、日々の生活に少しだけ美味しい!が加わった。

著者にとって、現地の料理やお菓子、文化にもっと触れてみたい、と思える素敵な出会いになった。

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